春へと季節が移りゆくこの時期、色々な意味で変わり目となるので、人はその変化に翻弄されがちだ。
卒業、進学、就職、引っ越し、転勤、転職、・・・。日本人ならこういった変わり目のほとんどを春の訪れと共に経験しているはずだ。どうしても気持ちがうわつくというか、ソワソワ、ドキドキ、非日常といった感じになりやすい。

だからというわけではないだろうが、春先は変質者が出没しやすいらしい。
そして自然界に目を向けると、やはり種が発芽し芽を伸ばし、虫たちが活動を始めるなど、春が季節の始まりとなっている。
春が始まりというのは五行論においても同じである。
そして、春は木行に属し、肝の季節となる。

肝の働きは(東洋医学で言う「肝」は、肝臓のみを指すのにあらず)

①疏泄・・・生理物質をからだの隅々まで行き渡らせる
②蔵血・・・血液の貯蔵と血流量の調節
といったものが挙げられる。
(上のイラストで「一喜一憂しないぞ。」と肝くんが言っていますね。私は一喜一憂しまくりなので、肝くんがお疲れなのかもしれません。)

もし、肝のはたらきがよろしくないと、

イラついたり、月経周期が乱れたり、眼の疾患が現れたりして、
それが進行すると、よく見られるのが肝鬱気滞という病症だ。

怒りやすい、頭痛やめまい、胸がモヤモヤする、ため息、月経のお悩み、そして疝気。(前回の記事参照)
肝鬱気滞は分かりやすく言ってしまえばストレスからきている。現代社会ではすごく多いという。ストレスが多ければ、怒りっぽくなるのも当たり前だ。
ものすごーく怒ると、涙が出てきたり、目が血走ったりすることないだろうか。
下の五行色体表を見て欲しい。木行に属する感情は、「怒」で、感覚器官は「目」となっている。そして、下の表はそこまで詳しく載っていないが、木行の分泌液は、「涙」なのだ!

だから、春は肝のはたらきを崩しやすいために、ストレスで怒りっぽくなって、それが進むと目の症状にくる場合がある、ということが五行論からも分かる。
また、天の正気の木行に該当するのは「風」である。「怒髪天をつく」なんて言葉があるくらいで、ものすごーく怒ったときって、何かがメラメラグラグラ、上に立ちのぼる感じがしないだろうか。

あれ、東洋医学的には風が起こっているんですよね。(=内風)もちろん、炎が燃えている感じもするでしょう。木は火を生み出しますので。炎が立ちのぼるときは、必ず風が下から上へ吹き上げます。風の強い日には火事も燃え広がりやすいのです・・・。
なんでこんな事を書いたかというと、私自身、昨日ものすごーく怒った出来事があったんですよね。怒りながら、体の中を風が、炎が、下から上へ吹き上げるような感覚、ありました。それに身を任せながら、「あ~、春だしな、肝にきてるな~、体の中で風が起こってるな。」と実感したわけです。
なぜ怒ったのかは・・・。まあ、中学生の子どもがいる方なら、きれい事じゃすまされない実態、ご想像いただけるのではないでしょうか😄
今日はその中学生連れて、さっき日帰り温泉に行ってきましたが・・・。
本人はけろりとしたもんです。きっと肝のはたらきが強いのでしょう。