さて、8月ももうじき終わり。なのにまだまだ関東は40℃などを記録し、秋の気配が邪魔されている。
前々回の記事で書いたとおり、我が家の庭にはカブトムシが来てくれて、常時楽しいカブトムシワールドが繰り広げられていたのだが、最近はいよいよ姿が見えなくなった。オスは死に、メスは産卵へ。そして命の交代か。気温だけはなかなか下がらねど、確実に季節は移ろっていく。
それにしてもびっくりしたのが、夫のカブトムシへの夢中っぷり。
ある夜、娘と金曜ロードショーで「火垂るの墓」を見たから、確か8月15日だったと思うのだけどー。
映画が始まった時点 ↓
「パパは?」「カブト見てる。」
そして、清太さんと節子ちゃんがたましいになって西宮だか神戸だかの街を見ている場面になってもー。
「パパは?」「カブト見てる。」
もう2時間経つよ?!
「パパ、カブトになっちゃったかと思った!」
まあよく飽きもせず、闇夜の中、懐中電灯を照らして観察してたものである。
「そんなにおもしろいの?」
「ああ、1匹、前から乱暴なやつがいてさ。」
「ちょっとまって、個体の識別がつくの?!」
「アア分かる。そいつだけすげーでかいんだ。」
カブトなんて、普通どれも同じにしか見えないんじゃないだろうか?イヌやネコならまだ毛の色や尻尾で違いが分かりそうだが。
「・・・もう名前つけたら?」
「ジャイアンだな。」
次の日夫にカブトの様子を聞くと、「ジャイアン」の他に、少々のろまな「でくの坊」と名付けられたいうキャラが増えていた。
このように、普段ほとんど会話のなくなった私たち夫婦に、話題の提供という彩りを添えてくれたカブちゃん。
来年の夏も、同じ木に子孫達が元気な姿を見せてくれるのが楽しみだ。
王不留行
先日の実習で、刺さない補瀉法を学んだ。
虚している所には補し、実しているところには瀉す、というのは基本中の基本。
今回、瀉法には皮内鍼をサージカルテープで貼り付ける。(この鍼、本来は刺すものだけど、今回はあくまで貼り付けるのみ)
そして、補法には、王不留行(おうふるぎょう)という、黒ゴマのような植物の種を貼り付ける。
「え~!タネ~!?」なんだかちょっと心躍る。なんでだろう。前の、クルミ灸とかもなぜかうれしくなってしまったし。
きっと、植物を使って人を癒やすのはなんだか魔女チックでおもしろいのかもしれない。
実際はこんな感じ。↓ 三陰交に貼られた王不留行。

たまたま実習のペアが、気心の知れたMさんだったこともあって、「あ~最近胃が・・・。」なんて、正直に自分の体調を吐露してしまう。Mさんは上手に手際よく、脾経や胃経にペタペタ種をを貼っていってくれる。臨床家って、患者さんにとっては痛いところや弱っているところを安心して見せられるかどうかが結構大事だと思う。その点、Mさんは本当に安心感がある。このようにクラスメイトからも色々いいところを学ばせてもらったり刺激を受けたりしている。40代の学生生活もあと半年で終わりだと思うとちょっとさみしい。
さて、王不留行は漢方の生薬として扱われているようで、中医的には活血化瘀のはたらきがあるという。つまり、血をよどみなく流すと言うことだ。なるほど、その晩は少し体調がいいようだった。