風薫る五月。今日は立夏だ。
つまり土用明けだ。
土用とは、1年に4回訪れる季節の変わり目の期間。この期間は土公神という土の神様の怒りに触れないようにするため、昔から土いじりは御法度とされてきた話も聞く。
そうはいってもやっとまとまった休みがとれるこの時期、草むしりやガーデニング、畑仕事に精を出したい。
なので、建築や工事など、深く土を掘り返すようなことでなければ大丈夫だろうと、少々都合のよい解釈をし、敷地内の除草に励む。
こちらは1~2週間前に畑の一角に捨てたカボチャの種、から発芽した芽。かなり旺盛な生命力を感じる。

この種は、普通にスーパーに売っているカボチャを料理するときにごっそりとれたものだ。
皮と一緒に適当に畑の隅に捨てたら、ニョキニョキと発芽した。
こんなテキトーな、いい加減な方法で、芽を出してくれるとは。
逆に、買ってきた種を蒔いたスペースからは芽が出なかったものが多かった。パセリ、にんじん、インゲンなど。キュウリは、芽が出たが枯れてしまった。なぜだろう。
100均で買った種だからかな?今の野菜の種は、F1といって、基本1代で終わるように処理されているらしい。つまり、種があっても、次世代に種を残せないのだ。
種苗法の関係や、外国への品種の流通を防ぐなど、色々事情があるのだろうけど。人間社会の利害の都合で、不自然な事がされているなと感じる。
休み明けには学校で模試が予定されており、相変わらず勉強に勉強を重ねている。
3年生になると、臨床実習というかたちで、いざ一般の患者さんをお迎えして鍼灸治療を行う授業が始まる。(鍼灸学科の先生監督のもとで)
それがドキドキであり、楽しみであり、どんな準備をしたらいいだろう~、とソワソワしている。
一番難しいのが、患者さんがどんな主訴なのか事前に分からないことだ。
これは、あなたが食堂を営んでいる料理人で、どんな料理をオーダーされるのか分からないようなものだ。

「寿司。」「タイカレー。」「ボルシチ。」突然どんな料理を言われても、材料も作り方もお任せ!というのはなかなかすごいことではないでしょうか。
世の病院は、○○科と分かれているから、皮膚科に行って生理痛の悩みで受診するなんてことは無い。けれど、鍼灸は整形外科疾患から精神の不調、もちろん内科的な疾患まで広く扱うので、「それ分かりません、知りません。」とは言えない。
それでも卒業後は専門領域をある程度決めて施術に当たる先輩方が多いようだ。美容鍼灸、不妊鍼灸とか。眼の疾患の鍼灸とか、耳や鼻の疾患の鍼灸とか。なかには痔専門の鍼灸院というものが都内にはあって、大変予約が取りづらい状況だとも聞く。
自分は、女性や思春期の方に多い症状について詳しく取り組んでみたい。また、地域性としてお年を召した方が多いので、そういった方のケアにも興味がある。
自分が今学んでいることがどう社会に役立つのか、そもそも役立たせることができるのだろうかと、迷い、ときおり不安な気持ちも持ちながら、勉強をしている。次の試験に受かるだろうかとかではなく、今やっていることを来年以降どう生かしていけるだろうかと悩みながら、勉強を続けている。そんな学生生活3年目である。