授業で良導絡なるものを学んだ。ノイロメーターという機器をパソコンとつないで、皮膚に微弱な電気を流し、電気の通りやすい部分(これが経絡の流れとかなり近いらしい)の反応を見る。これは、交感神経のはたらきを表しているのだという。そしてなんと、それが数値化され、グラフとなって表されるのである!

ぼんやりとしたところが多いのが東洋医学のいいところでも悪いところでもあるのだが、この数値化、グラフ化、というところに落とし込んだのが何とも画期的だ。見やすい、分かりやすい、説得力がある。この良導絡、昭和25年に京大の医師、中谷義雄氏によって世に出た。平均で40~60あたりが正常な元気度だという。高すぎに出る場合は、過敏になっていたり、器質的な異常がある場合も一部あるらしいが、低すぎる場合はスタミナや代謝機能が落ちているのだという。また、年齢的に高かったり、虚弱な人は低めに出るという。

で、これが私のグラフである。

おわかりいただけるであろうか・・・。腎経・胆経・胃経にゼロの数値があることを。

そのほかの経絡を含めても、数値は平均で13あたりをウロウロしている。

これはかなり元気がない人のグラフだ。

「えっ、私って元気ないの?」なんだか、このグラフを見て元気がなくなってきた。

リベンジ良導絡!ということで、1週間空けて、県内で良導絡を取り扱っている鍼灸接骨院を訪ね先生の御高診を仰いでみた。先生曰く、「神経は働き過ぎても働かなさすぎてもよろしくない。」とのこと。そして、「冷えがある、とくに足が。」とのこと。確かに、足を通る経絡に、低い数値が多い!

12ボルトでこんな様子なので、21ボルトと強めの電気を流して計測してもらった。それがこちら。

全体的に数値があがった。が、それでも腎経の左と胆経の左にゼロが。

少しずつでも体力をつけていくことが必要、ということで、鍼灸接骨院を後にした。

ちょうど実家に帰省中だったので、母の前で「あ~こんなに健康に気をつけているのにな~。くやしいな~。」とめそめそしてみた。すると母は、

「からだはね、ひとそれぞれ違うの。ダンプカーみたいな人がいれば、スポーツカーみたいな人もいる。あんたはリヤカー並みのスタミナなんだから、今からダンプカーになりたいって言ったって無理なのよ。」とピシャリと言われた。

母は、私が健康や東洋医学に没頭するきっかけを作った人物である。そして母もまた、超がつくくらい虚弱体質である。それでも70代半ばの今でも自分のペースで自分の生活を楽しみ、コミュニティーの中で人の役に立ち、多くの人の健康相談にのっている。きちんとおしゃれをし、庭にはいつも花が咲き乱れ、食事は必ず手作りでそしておいしい。その母に言われたらぐうの音も出ない。

じゃあいっか。

リヤカーならではの小回りがきく自由な動きで、ゆっくり景色を楽しみながら人生を歩んでいけば。

ザ・虚証の大先輩、母が言うのだし。

まあそれでも腎経と胆経のケアはお灸でもして続けていこう。

投稿者

かおり

2022年度末に22年間続けた職を辞し、鍼灸学科の学生になる。自然・健康・環境に即した医療や生き方を、東洋医学を通して学び中。