足の三里はツボ中のツボと言ってもいいくらい有名で有能なツボだが、実は私の場合はあまり反応がない。
ツボって、押したときに「!」という感覚があったり、痛かったり、凝ってたり、気持ちよかったり・・・。何かしら反応が出ることがあるのだが、ツボの王道、足三里は私の場合、なぜだか体が無反応である。
逆に、「反応、出るわー!」というツボもある。衝陽とか、太衝とか、内関、中かん、巨闕あたり。
私の場合、これらのツボは軸索反射が出る。
軸索反射
軸索反射、別名フレア現象。
こんな感じだ。

足の甲の部分。太衝にお灸をしたときだったと思う。皮膚が、ぼやあ~っと赤く染まっているの分かりますでしょうか?
確か鍼灸学科生になってすぐの時だったので、家でこうなったときは「何コレ!?」とびっくりし、写真に撮って翌日学校の先生に聞きに行った。「あ~軸索反射ですね。」鍼灸界隈では、よくあることらしい。
通常、皮膚の受容器に温痛覚が感知されると、軸索(神経線維)が後根を通ってその信号を脊髄まで伝える。(巡行性伝導)
同時に、また別のルートとして軸索が側副枝を通って別の受容器へ信号が伝えられることがある。(逆行性伝導)

すると、そこから神経ペプチド
・カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
・サブスタインP
・血管作動性腸管ペプチド(VIP)
主にこれら3つのものが放出され、血管拡張される。よって、皮膚循環が亢進し、さきほどのような軸索反射、フレア現象が見られるのである。
また、神経ペプチドにより、血管の内皮細胞からは一酸化窒素(NO)が産生される。これは、血管平滑筋をを弛緩させるはたらきも持つ事も分かっている。
こういった反応は、全てのツボに見られるわけではない。
ただ、反応がない人に話しかけてもむなしく、リアクションがある人に話しかけたくなるように、どうしても反応があるツボを使いたくなってくる。
軸索反射が見られると、「よしよし効いてる!」「ツボ命中~!」心の中で歓声を上げたくなる。