もう明日で1週間経つのか。

高ぶった神経が数日かけてようやく落ち着きを取り戻してきた。

覚えているうちに、国試受験の雑感を綴る。

この、雑感というものが大事なんですよ。いつにどこでどんな形式で行われますなんて言うのは、だれでも得られる情報なわけで。きっと来年の今頃、国試受験者の方のお役に立つと思う。

さて、国試に向けてはうちの学校は前日に東京入りする。会場は大正大学。

板橋のホテルへ

例年は池袋のホテルに泊まっていたようだが、今年はなぜかそこが取れなかったらしい。しかし、結果として大正大学最寄りの板橋駅近くのホテルが取れたと言うことで、当日朝に電車を使って移動する煩わしさもなく、徒歩15分で試験会場に着けるという嬉しいことになった。

前日は、午前中に学校にて最後の最後の問題演習が行われ、何名かがそちらを受けていたようだ。午後は各自がそれぞれ移動。私はクラスの友人2人と特急草津四万に乗って快適に東京へ向かった。やっぱり指定席は、楽。しかもこの特急で行くと、乗り換えが赤羽で1回のみ。コレにして正解だった。車内で膨大に書きためた暗記事項をパラパラとめくる。

赤羽に着くと、途端に都会の雑踏にひるんでしまう。乗り換えの電車も満員だ。なんとか大荷物を抱えて乗り込むが、ぎゅうぎゅうだ。平日の朝でもないのに・・・。ふだん過疎地でのんびり過ごしている身なので参った。仕方ない、2駅の辛抱。

板橋駅についてホテルへ。チェックインを済ます。同級生はもうみんな着いていて、どうやら私たちが最後らしい。男性方は駅周辺で外食をした人が多かったようだけれど、私のまわりは家からお弁当を持ってきた人やスーパーやコンビニで買い込んでホテル内で済ませた人が多かった。私も保温容器に入れてきたキノコと鶏肉のつゆで、うどん(米粉)をいただく。

さて、腹ごしらえの後は、問題演習!はり師きゅう師の試験前日に行われたあんまマッサージ指圧師の国試問題を解く。出題されたてホヤホヤの国試問題。

ん?優しくないか?

ふだん学校で、脳味噌をひねりにひねらないと解けない問題に慣れていたせいか、シンプルな問いの連続にかえって「何か罠があるのでは・・・?」と勘ぐってしまう。

どうやら、例年あま師(あんまマッサージ指圧師の略した言い方)の試験は、はき師(はり師きゅう師)の試験よりも単純な問題がでる傾向にあるという。目の不自由な方が多く受けるというのもその理由の一つだそうだ。なるほど~。

この、直前に急に問題が簡単になるってどうなんだろう~と思いつつ、私は「なんだ~、大丈夫かも♡」とすっかり気分をよくしてしまい、元々直前に根を詰めて勉強する気は無かったが、大手を振って早く寝ることにした。

しかし、ホテルの浴室のお湯が異様に熱く、懸命に水で薄めるも、普段入らないような高温のお風呂となってしまった。そのせいか、体がずっと熱いわ、そもそも部屋もエアコン消したくらい暑いわ、田舎から出てきたからぶ厚いセーターにあったかパジャマの用意しかないわで、なかなか眠れなかった。疲れているのに眠れない・・・あ、そうか、緊張もしているんだな、じゃ仕方ないか・・・、駅のホームの音も聞こえるな、そろそろ終電かな・・・なんて考えていたら、結局しばらくは寝付けなかった。

最後の最後まで手を抜かないこと、それは「食」

翌朝、5:30には目を覚ます。館内にひとつだけある電子レンジに並び、今日の朝ご飯や昼ご飯を温める。

後で分かったことだが、今回持参したうちのやさんのレトルトは、なんとフィギュアペアのりくりゅう選手達も御用達らしい!

海外遠征の時に安全でおいしい和食を持ち歩けるとのことで、重宝していると、おふたりのお母様からうちのやさんにお手紙も来たようだ。

保温容器も昨日のうちに洗って干してあるので、もうすでに乾燥済み。食器洗い洗剤もスポンジも持参。

豚汁を保温容器に、パックご飯とひじき・大豆の煮物・鯖の煮付けをタッパーに移し替え、本日の勝負メシできあがり。

朝ご飯にもうちのやさんを食べ、7:30に板橋駅前に集合だ。

大の大人が夢中で勉強しながら

駅前の広場には、一同に同級生達が集まっていた。学科長が気合いを入れる。それはまるで、最後の試合前にロッカールームで選手を送り出す監督のようだった。

「いいか、今日がみんなの鍼灸師としての誕生の日だ。じゃあ、受精はどこでおこなわれるんだ?」

「・・・・。」

しーんとしている。

「どこだ。」

「卵管膨大部。」

午前部クラスの人が、口火を切る。

「そう、そのとおり。では、その卵管は何上皮だ。」

「多列線毛上皮!」

「そう、で、受精卵が6日くらい経って着床する頃には何になっている?」

「胚盤胞!」

そんなこんなで41名の受験者と数人の引率教員で、大正大学までぞろぞろと歩いていった。

手に暗記用の黒本を持って、読みながら歩いている人も結構いる。

後ろを歩いていたとなりのクラスの人が、突然「喉頭って何胚葉でしたっけ?」と聞いてきた。

えっ。

喉頭?何胚葉?

うーんと、胚葉は、

①外胚葉「ゴロ:我が輩の皮膚感覚は神経質である」→皮膚・感覚器・神経

②内胚葉「ゴロ:証拠は尿路には無いよう」→消化器・呼吸器・尿路

③中胚葉「ゴロ:骨肉血みどろの人生に酎ハイ」→骨・筋肉・循環器系・腎臓・生殖器

でしょう。えーと、だから・・・

「内胚葉でしょう。」そばで聞いていた先生が答える。

あ~、呼吸器と考えるのかな。

「じゃあ咽頭は?」

えっ。消化器の一部と考えて、これも内胚葉?

っていうか、こんな難しいこと考えながら道を歩いてたら危ないんじゃないかな~。

でも、大の大人が、夢中で勉強しながらみんなであーだこーだ言って歩いてく、なんか楽しい。

そんなこんなで、大正大学の立派な門が見えてきた。

投稿者

かおり

2022年度末に22年間続けた職を辞し、鍼灸学科の学生になる。自然・健康・環境に即した医療や生き方を、東洋医学を通して学び中。