やっと実技試験が終わり、もう少しで12日間の夏休み、というところである。ところが、この夏休み期間が明けると1週間の期末試験週間となるため、どうも開放的な気分にはなれず。お盆中に毎日地道に勉強に励むのも、もうこれで3年目と思うと慣れてきた。

そして今年の夏はもうひとつやることがある。

講師依頼が来た

ある講演会の講師をお引き受けしたので、その案を練らなければならない。

その会とは、郡学校保健会の健康教育学習会という。

これはどんな組織かというと、郡内の各小中学校の保健主事の先生方と栄養士の方達、総勢40名ほどで構成されているそうだ。それらの先生方が集まって行う学習会で、東洋医学に関するお話をしてほしい、ということだった。

はじめ、この話をある校長先生からいただいたとき、「それは私じゃなくてもっとプロ(?)の方にお願いした方が・・・。」といって尻込みした。なにぶん、私は資格未取得の一学生のひとりであり、知識も経験も浅い。

しかし、その校長先生は、4月に行われた私の山間部での診療所での東洋医学お話会に興味を持って下さったようだ。

また、その時お世話になった診療所の看護士長さんが、その校長先生の学校の保護者だった縁もあってか、私にオファーを下さった。

私は、鍼灸師になるため東洋医学を学んでいるのももちろんあるのだけれど、この学問そのものが本当に面白くて美しいものだと思っている。だから、これをうまくかみ砕いて分かりやすくして、必要な人に必要なことが届くように伝えていけたらと思っている。だから、このオファーは東洋医学の可能性を知ってもらうまたとないチャンスだ。

そして、郡の学校教育現場は、私が3年前までお世話になっていた古巣だ。

数え切れないくらいの方々にお世話になって、大切な時を過ごしてきた。

なのに、「なんで先生を辞めたの?」と思う人も当然いるだろう。

仕事だから、当然いいことも大変なこともある。けれど、私は教職や、子どもや、学校が大嫌いになって辞めたわけでは無いし、部分的に働く、例えばパートタイマー的な働き方が選択肢としてあったなら、辞めていなかったかもしれない。けれどそういった制度はなく、「やるなら端から端まで全部!」みたいなところはとくに小学校現場では仕方がない、そうでないとうまく回らないとも思っている。

結論、私の体力では、夏の山登りや、炎天下でのプールや、酷暑の中の運動会練習が、もうできないと思ったのだ。

今でこそ分かることだが、東洋医学的に私は『』の体質で、肝血虚、脾気虚、腎陽虚あたりが当てはまる。これはうんと簡単に言うと、血が足りない、気が足りない、冷えている・・・といったところだ。鍼灸の授業で行った良導絡測定でも、3つの経絡で数値ゼロを叩き出し、クラス断トツの元気度最下位、担当の先生も言葉選びに困っていた。

でも教員をやっていた当時、疲れた、しんどいと言うのは怠けで、根性がないからではないかと思っていた。現実、先生がそんなこと言ってられないわけで、両手に保冷剤を握りしめながら何とか運動会ダンスの見本を踊っていた。

しかしある夏、熱中症を何回もやって決定的に体調を崩した年があり、「もう根性とか、やる気とか、そういうことで乗り切ろうとするのは危ないんだな。これ、60歳くらいまでこの仕事同じようにできるかな?」と疑問を持つようになり、そこで幼い頃に母の影響で興味を持った東洋医学への熱が再燃し、今に至る。

私の体力不足で教員は22年で退職することになったけれど、今回の学校保健会での講師は古巣への恩返しと思って、案を練る。

だから今年のお盆は、期末の勉強+講演会準備でカンヅメ状態なのだ!

投稿者

かおり

2022年度末に22年間続けた職を辞し、鍼灸学科の学生になる。自然・健康・環境に即した医療や生き方を、東洋医学を通して学び中。