先日、郷里の恩師から連絡をいただいた。高かった眼圧の測定をしに、約3ヶ月ぶりに目医者に行ったそうだ。
「右がいつも16~18だったところ13まで下がった。左は変化が見られず。」とのこと。
以前の記事で、恩師が眼圧改善のために眼窩の辺りの指圧をしていると載せた。
片方の目だけでも改善が見られたのは、喜ばしいことだと私は思う。
しかし、ご本人にとっては「劇的な変化は、なし」と感じたようだ。
うーん、もしもっと大きな変化を望むのであれば、やはり根本である「なぜ房水の流れがうまくいかないのか?」に着目する必要があるかもしれない。東洋医学的に、淡湿(よけいな水分、油分が溜まっていること)の可能性もあるかも。そう思って、私がYouTube配信で勉強している吉野敏明先生(よしりん)の仰っていた「植物性の油の摂りすぎが多くの病気の原因」ということをお伝えした。
油は、本当に色々あって奥が深い。
大きく分けて
①トランス脂肪酸
②飽和脂肪酸
③不飽和脂肪酸 の3つがある。
①のトランス脂肪酸は、植物性の油に水素添加した、極めて人工的なものだ。商品の中では、マーガリンや、ショートニングとして使われている。これは問答無用でからだによくない。世界では規制が進んでいるが、日本ではその動きはない。安価で、ドーナツやクッキー、パンなどの食感をサクサク、ふっくらとさせる。WHOですら、心血管系疾患のリスクを抑えるため、摂取を1%未満に抑えるよう勧告している。実際はどうだろう。朝に食パンを食べ、おやつにクッキーを食べたら、あっという間に1%超すのではないだろうか。
②の飽和脂肪酸はおおざっぱに言うと動物性の油。
③の不飽和脂肪酸は、植物性の油と魚介の油が含まれる。
この不飽和脂肪酸もオメガ9とか、3、6とか分けられるのだが、細かい説明はすっ飛ばして吉野先生のいつも仰っていることに行き着くと、「植物性の油は、体内でアセトアルデヒドという毒になる」ということだ。化学式も含め、正確なところは上のYouTube動画を見ていただいた方がよいのだが、確かにと思うのは、戦後の日本の食生活の変化である。
我々の生活様式ががらりと変わったのは、戦後からである。植物油の摂取量は1960年から現在で約7倍になっていると吉野先生は言う。それ以前を考えれば、普通の日本人に多くは揚げ物も食べないし、フライパンは使わず料理をしていたし、主食は米だけだったろう。囲炉裏での調理方法は、煮るか魚を串に刺して焼くかくらいで、揚げ物や炒め物はできない。地のものを食べ、自然の枠組みの中で暮らしていたはずだ。
しかし、今の世で戦前の食事を守り通すことは難しい。そして、出来合いのものは便利だし、仲間や家族、友人達と外食を楽しみたいときもあることだろう。
そのバランスをいかにとるか。
これは、私が今時点で実践している考え方なので、人に強制するものではないが、「基本、普段は和食。」、を心がけている。

日本において、先祖が昔から食べてきたものなら、大体まちがいなかろう、というものだ。これがシンプルで一番確実だ。化学式やオメガなんとかとか覚えなくても、イメージしやすい。上のイラストを見てもらっても、ほぼ植物油は使っていない。自然とそういうことになる。
そして、その「普段」以外の食生活は、どの程度なら健康に影響しないのかとか、するのかとかは、その人その人によっても違うので一概には言えない。
思い出すのは、96歳で20年近く前に亡くなった私の祖母だ。

糖尿病の持病はあったものの、亡くなる少し前まで自分のことは自分で大体できて、2階の自室へ行くのに階段を毎日上り下りし、(お年寄りだから1階に寝させて、トイレに手すりをつけて・・・なんて話は一切出なかった!)最後はすうっと亡くなった。ほぼ老衰と言っていいと思う。その祖母は、ほぼ決まったものしか食べなかった。昔から自分が食べてきたもの。味噌汁。漬物。鯉のあらい。(←郷土食)もちろん米。たまに父が「これも食べてみれば。」とハイカラなおかずを進めることがあったが、「食ったことねえから。」と言って、絶対箸をつけようとはしなかった。父は「まったく・・・。新しいものは絶対食べようとしないんだから。」と言っていた。
私は、「何でもよく食べないと・・・。おばあちゃんは偏食が多くてダメだなあ。」くらいに思っていたけれど、96歳まで自立して長生きできた祖母の食生活は、結果、健康的に理にかなっていたと言えるだろう。
「何でもよく食べなさい。」そうよく聞くし、それが正しいことだと思っていたけれど、不自然で人工的なものが多いこの時代、その常識が日本人の健康にとってどうなのだろうと感じている。
恩師も色々気を付けて食事を摂っておられる方だ。だからこそ教職引退後もご自身の活動を広げていることができているのだと思う。ここからさらに充実し健康的な毎日を送るためにはと考えたとき、ふと思い出した、私の祖母の話、よしりんの話、日本人に合った食生活の話、油の話。これらが、なにかヒントになればよいなと思う。